「基礎工事、ちゃんとした業者さんにやってもらったから安心して任せられる」
と思って、安心しきっていませんか?
基礎工事が終わったら、今度は土台、柱、筋交い、梁を建てる工事を行います。基礎工事と別の施工業者が行うことが多いので、改めて安心してお任せできる業者かどうかチェックしましょう。
手抜き業者は家を建てる際にとりあえず金物をつけるので注意!
木材同士を組み合わせた部分には金物を取りつけて補強するのですが、当然、木材同士ががっちりと組まれていなければ、いくら金物をつけても強度を保つことはできません。
良い業者であれば、多少面倒な作業であっても家の強度に大切なことや安全・安心に住むために必要なことを丁寧におこないますが、手抜き業者はそんなことおかまいなしでいい加減な仕事をおこないます。
ここでは、金物取りつけに関する作業について確認していきましょう。
現在は補強金物があたりまえだが、昔はなく大変な作業
歴史ある工法の1つ軸組工法でつくる家は、 木材同士を組み合わせる部分のほとんどに補強金物を使用しています。多くの部分に補強金物を使う理由は、強い力を受けたときに木材同士が外れないようにするためで、使う場所によって補強金物の形状や留め方が異なります。
そもそも、これらの補強金物は、きちんと刻んだ木材同士をがっちりと組み合わせ、外れないようにさらに強度を高めることを目的に用いられるものでした。
というのも、昔は補強金物を使うことが少なかったため、木材同士を組む際に、いかにがっちりと組み合わせることができるかが大事だったのです。当時の大工さんは、補強金物がないため、継手や仕口など場所によって組み方を工夫する必要があり、今と比べると非常に手間のかかる作業でした。
がっちり組むことなく金物をゆるく取りつけていないか
現在はたくさんの補強金物を使うのがあたりまえですので、昔のようにさまざまな部分に気を遣って手間をかけることも少なくなりました。
継手や仕口も補強金物をすることが前提だと蟻継ぎなど比較的簡単な方法で対応できるため、追掛け大栓継ぎなど手間のかかることをする人・現場は少なくなってしまいました。
そのため、手抜き業者や一部の大工さんは「どうせ補強金物で留めるから、緩く組んでおけばいい」「極力手間をかけずに作業を進めたいので組むのに時間をかけたくない」など、いい加減な考えで作業してしまうことも少なくありません。
骨組みを組み立て、継手や仕口が緩くても補強金物をつけるとわりとしっかりしますし、頑丈そうに見えるためそれだけで済ませてしまいます。
とにかく多くの補強金物をつけ、頑丈そうに見栄えだけは良くしますが、中身はゆるゆるでスカスカの最悪な状態です。がっちりと組んでいないため本来必要な強度が得られず、せっかくのマイホームも耐震性や耐久性に大きな問題を抱えてしまいます。
また、梁の交差部分は、本来であれば仕口をがっちりと組んだうえで、羽子板金物を取りつけ、力を受けた際に離れないようにしますし、耐力壁の柱の根本や頭部分も大きな力を受けると対処できないので金物で緊結をします。
しかし、手抜き業者は、梁の交差部分や、耐力壁の柱に関しても、がっちりと組むことなく、適当に金物を取りつけて作業を終了してしまうのです。
見栄え重視でとりあえずつけられた金物では、木材に強い力が加わった際に外れてしまい、マイホームが大きなダメージを受けてしまいます。
筋かいを入れるだけで固定も甘い家づくりをする!?
本来、骨組みの中に筋かいを入れることで、外から強い力が加わっても変形を防ぐことが可能です。しかし、ただ筋かいを入れるだけで、固定など必要なことを行わないと効果がなく、外からの力に強くないマイホームができあがってしまいます。
ここでは、筋かいの重要性や良い業者の施工方法、手抜き業者の手口などについて紹介しています。重要な筋かいの施工において、手抜き業者がどのような対応をするのか、しっかりと把握をしておき、良い業者と手抜き業者を見抜くポイントを増やしていきましょう。
現在の家では耐力壁が用いられ変形を防ぐ
歴史ある家づくりの工法である軸組工法の骨組みは、変形に対する強度は高くはありません。これまで、伝統的な建物では通し貫や土壁により、ある程度の強度を確保していました。
現在は、家を建てる際は、外から家に強い力が加わった場合でも変形しないような耐力壁を設けるようになっています。耐力壁は、昔の泥壁と同じようなもので、構造用の合板などの面材と筋かいによって、骨組みや壁が力で変形しないように固められたものです。
筋かいとは、骨組みの中に斜めに入れている木材のことです。筋かいを用いることで、地震や風の力に強い家づくりができます。木造での筋かい自体は以前からありましたが、一般的に用いられるようになったのは、わりと最近のことです。
そのため、現場の大工さんの中にはあまり木造での筋かいに詳しくない人もいます。
筋かいをただ入れているだけでは一方の力にしか効果がない
筋かいは厚みのあるものもあれば、薄いものもあり、どちらの場合もしっかりと固定されていることで初めて効果を発揮します。薄い筋かいもどれだけ厚みのある筋かいであっても、ただ骨組みの中に入れただけでは一方の力にしか効果がありません。
筋かいを金物で固定することでもう一方の力にも有効に働くようになっていますので、筋かいには金物による固定が必須です。逆に、金物がない場合は木材の筋かいが骨組みの中に入っていても本来の効果を発揮できないことを認識しておきましょう。
また、仮に筋かいに金物が取りつけてあっても、木材が割れていたら効果もなくなってしまうので注意が必要です。
金物でしっかりと固定が必要なことは現場に浸透していない場合も
前述のとおり、筋かいは家の強度や耐久性を高めるために非常に重要なものですが、しっかりと骨組みに固定されていないと効果を発揮することができません。そのため、金物が必須であり、金物で固定することで逆方向の力にも有効に働きます。
しかし、これら筋かいに関する正しい使用方法・取り付け方については、現場に十分に浸透していないこともあって、簡単に施工されていることがあります。
また、耐力壁があるところに引き抜きの力がかかることは浸透していますが、柱に対しても引き抜きの力がかかることは、まだまだ浸透しきれていません。
手抜き業者は固定の仕方が簡単で雑なため効果を発揮しない
手抜き業者は、筋かいの施工方法や固定することの重要性が現場に浸透している・していないの問題に関係なく、わざと金物でしっかりと固定していないことがあります。
なぜなら、一つひとつの筋かいを金物でしっかり固定するよりも、しない方が手間と労力を省け、手間賃を抑えることができるからです。
金物の取り付け作業自体も雑なので、金物を取り付ける際に筋かいが割れてしまうこともあります。金物を付けたとしても筋かいが割れていてはまったく効果はなく、必要な強度を得ることができません。
しっかりと骨組みの中に筋かいがあるか?
筋かいは金物でがっちりと固定されているか?
建築現場に足を運び、設計士やメーカーの担当者と一緒に確認をするなどして、安心・安全に暮らしていけるマイホームづくりがされているかをチェックしましょう。
ローコストの注文住宅は注意!?手抜き業者は間柱をビスだけで留め付ける
間柱も見えないところなので建築中のチェックが必要です。通常、間柱は、がっちりと木組みをしたうえで金物で固定するものですが、木組みもせず適当に金物で留めるだけで作業を完了させてしまう悪質な業者も存在します。
非常に危険ですので、どのような手抜きの作業をするのかを知っておき、騙されないようにしましょう。
ここでは、壁下地の内容や重要性、手抜き業者の手口などについて紹介しています。
壁下地をつくるのは時間と手間がかかるが丁寧に施工する必要がある
- 土台や梁、柱の骨組みをつくったら、その上に小屋組みをつくります。小屋組みとは、屋根の下地のことで、小屋組みの上に瓦などの屋根材を葺き、次に壁をつくるために壁下地といわれる木を組んでいきます。
- 壁下地をつくる際は、柱同士を横につなぎ梯子のような形状で組む方法があるのですが、この方法の場合、貫を通せるように事前に柱に穴を彫っておく必要があります。
- さらに、三角形で貫を打ち込むほど締まっていく楔もつくっておかなければなりません。そうしないと、厚みがある貫の場合、骨組みを建てた後では入らくなる恐れがあるためです。時間と手間がかかりますが、骨組みを建てながら貫を入れていく必要があるため、現在はあまり見られなくなっています。
- そして、最近では間柱という柱より細い木を使って建てることが多くなっています。この場合は、梁と土台に穴をつくり、間柱にホゾをつくって穴にはめ込み、釘で留めることで絶対にずれないようにします。
このように、時間と手間がかかる工程ですが、しっかりと丁寧に施工をすることで、安心・安全に暮らしていける強度を保つことができ、高い耐震性や耐久性のある家づくりが実現できるのです。
手抜き業者は間柱を適当な長さに切ってあとはビス留め
前述のとおり、通常、間柱を使う場合は、土台と梁に穴を間柱にはホゾをつくってはめ込んだうえで釘で留めます。穴やホゾをつくらず釘だけで留めるだけでは、簡単にズレてしまうため効果は見込めません。穴とホゾによる固定と釘留めによってしっかりと固定ができ、初めて効果を発揮するのです。
しかし、手抜き業者は面倒な作業を嫌がるため、わざわざ穴やホゾをつくったりはしません。土台や梁には何の加工もせず、間柱を切って、強引にビスで留めるだけです。間柱も長めに切ってしまうと入りきれなかったり、曲がったりするため、少し短めに切ったりします。
そして、長さが足りなかったとしてもお構いなしでビスを使って固定するのです。ビスだけではしっかりと固定できませんし、元々の間柱の長さ自体が足りていないものもあるため、必要な強度が得られません。
また、最近はプレカットによって土台や柱に間柱がはめ込めるよう溝が入っているものもあるのですが、溝だと横方向に外れてしまうこともあるため、外れにないように固定が必要です。手抜き業者は、プレカットの場合でもやはりビスだけで留め付けるため、少し力が加わると間柱が外れてしまいます。
ビス留めだけだと強度が不足し家の寿命も短くなる
間柱に関しても、一応ビス留めはしてあるため、素人からすれば手抜きとは思えません。しかし、実際には間柱の長さも足りず、組むこともしていないため、ビスが取れたら間柱も外れてしまいます。
がっちりと組んだうえで金物で留め付けた家であれば、あとは管理次第で50〜60年以上、場合によっては100年近くもたせることも可能です。
しかし、木組みもせず金物だけで留め付けている場合は、10年〜20年しかもたない可能性もあるなど、家の寿命が全然違ってきます。建主としては、良い業者でも手抜き業者でも支払うお金は同じなわけですから、末長く安心して暮らしていける家をつくれるように、くれぐれも手抜き業者には注意しましょう。
注文住宅で後悔しないために…
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