安くても安心して住めるローコスト住宅を建てるために、知っておくべき項目を確認しましょう。
この記事を読めば、家づくりの第一歩である業者選びに役立つ、営業マンを見極める方法や、土地選びの際に不動産業者から騙されない方法について知ることができます。
目次
こんなモデルハウスや営業マンには気をつけよう
モデルハウスに見学に行く際は十分に気をつけないと、当初の予算を大きくオーバーした家を買うことになってしまいます。
モデルハウスは非常に見栄えが良いですし、営業マンは良いことばかり説明しますので、そんなつもりで見に行っていなくても、ついつい購入を検討してしまうのです。
しかも、聞いていた価格よりも高くなることがほとんどですので、気をつけないとローン返済に苦しめられます。
ここでは、モデルハウスや営業マンの甘い罠について紹介しています。この記事を読むことで、冷静にモデルハウス見学ができるはずです。
モデルハウスは家を買いたくなる仕組みだらけ
「そろそろマイホームを持ちたい」と考えたとき、多くの人がハウスメーカーのモデルハウスに見学に行きます。
モデルハウスへ行くと、おしゃれなキッチンや豪華な家具、広々としたリビングにかわいらしい子供部屋、センスのいい照明器具、きれいで高級感のある浴室、仕事がはかどりそうな書斎など、非常に魅力的で誰もが憧れるつくりになっています。
見学に来た人たちは「こんな素敵な家に住めるなんて!」と、自分たちの新しい生活を空想し舞い上がってしまうものです。
しかし、モデルハウスの多くは標準仕様ではなく、多くのオプション仕様が採用されています。そのため、キッチンやリビング、造付けの家具など、モデルハウスどおりに建てようとすると別途料金がかかり、ハウスメーカーの掲げる標準価格と大きな開きが生じてしまいます。
また、モデルハウスのオプション仕様については、こちらから営業マンに質問しない限り、教えてくれないケースが多いので注意が必要です。
営業マンとしては「あれもこれもオプション」「標準価格よりもとても高い」と思われるとお客さんのモチベーションが低下してしまうため、自らオプションについて説明しません。そして、主導権を持っていることが多い奥様に気に入ってもらえるよう、熱心に説明をします。
営業マンは、奥様がモデルハウスのキッチンや間取りを気に入ればとてもポジティブですし、仮に気に入らなかったとしても「これはモデルハウスですので、実際には奥様の要望どおりにできますよ」などと、興味を持ってもらえるように良いことばかりを説明するのです。
モデルハウスは、オプション仕様だらけで豪華な設備になっていて、営業マンも良いことしか言わないため、しっかりと考えを持って見学に行かないといけません。そうしないと、購入意欲が高くなるだけでなく気持ちが舞い上がって、他の物件と比較もせずに契約を決めてしまうことにもなりかねません。
営業マンの言い出し価格には気をつける
営業マンによっては、お客さんから価格を聞かれた際に言い出し価格を答えるため気をつけましょう。言い出し価格とは、標準仕様で最低価格のことです。営業マンとしては、実際にかかるであろう費用を伝えてしまうと、お客さんが引いてしまう可能性もあるため、わざと安い金額を伝えて気を引こうとするのです。
言い出し価格には必要な工事費用すらすべては入っていませんので、契約をしたとしても言い出し価格でマイホームを持てることはありません。営業マンやハウスメーカーは、後々「騙された」とクレームが起きては困るため、契約書に小さな文字で但し書きをしていることがあります。
このように、契約後にいろいろな追加料金が発生し、当初の予算を大きくオーバーする可能性があるため、モデルハウスや営業マンには十分に気をつけましょう。
価格が安い建売住宅は要注意!?
価格が安いからといって、ローコストの建売住宅に飛びつくと、あとで後悔することがあるため注意が必要です。あまりにも建物価格が安い住宅は、大工さんが手抜き施工をしている可能性があるためです。
なぜ、大工さんが手抜き施工をするのか?なぜ、建物価格が安い建売住宅は要注意なのか?ここでは確認をしていきましょう。
この記事を読むことで、後悔しない住宅選びがしやすくなるはずです。ぜひ、ご覧ください。
大工さんは建売住宅を本当はやりたくない
昔は、「マイホーム=注文住宅」が一般的でしたが、現在は不況ということもあり、建売住宅を購入する人が増えています。
通常、建売住宅は不動産業者が建築主となるため、材料は不動産業者もちで、大工さんは手間賃で仕事をします。大工さんの手間賃は1坪あたり10万円程度で、釘などの金物代も含まれていることが多いです。
しかし、建売住宅になると手間賃が半分の5万円程度のこともありますし、不況の煽りを受け2万円を切る場合もあります。
大工さんとしては、こんなにも少ない手間賃であれば「やりたくない」というのが本音ですが、仕事がないと収入がなくなるため、しぶしぶ請け負っているという状態なのです。
手間賃が少ないためいい加減な仕事をしてしまう
手間賃が少ない大工さんとしては、モチベーションも下がりますし、割に合わなくなるため、工事にかける手間もそれなりになります。
そのため、建築主である不動産業者の依頼どおりに見栄えの良い家をつくりはしますが、見えないところでは手抜きをしているケースがあります。
釘やボルトで固定が必要なところを接着剤だけで留めたり、足りない材料があれば現場に転がっている端材を使用したりなど、少しでも余計なコストや時間をかけなくていいように済ませてしまうのです。
「早く終わらせて次の現場に行きたい」「居住者からクレームは不動産業者にいくため関係ない」など、無責任な考えで仕事をする大工もいます。
建物価格が安すぎる建売住宅は要注意
建売住宅を購入する際は、建物価格がいくらなのか確認をするようにしましょう。通常、建売住宅の販売価格は土地代と建物価格を合計した金額が提示されています。親切に建物価格と土地代も別途提示している業者もありますが、原則は前者の表示方法が多いです。
建物価格には消費税がかかり、土地代には消費税がかかりませんので、消費税から建物価格がいくらなのか推測できます。
もし建物価格が異常に安い場合は、手抜き施工がおこなわれ、安心して長く住める住宅ではない可能性があるため要注意です。
注文住宅も安心できない!施工業者や設計事務所選びで出来栄えが変わる!
業者選びなどに注意が必要なのは建売住宅だけではありません。注文住宅においても、施工業者や設計事務所選びによって家の出来栄えが大きく変わります。業者や事務所選びを間違ってしまうと、いい加減な家づくりをされてしまいます。
ここでは、注文住宅の出来栄えを左右する、施工業者や設計事務所選びの重要性などについて紹介しています。
1人親方は出来不出来に差があり、会社は平均的な出来栄え
注文住宅を建てる際の施工業者は、年間何百棟もつくる会社や1人でやる1人親方など、さまざまなタイプがあります。
1人親方の場合は、その親方の技量によって家の出来栄えが変わってきます。
勉強熱心で技術も知識も豊富な親方であれば安心して家づくりを任せられますが、設備関係にうといなど、勉強が不十分な親方だと、いい加減な家が完成してしまいます。そのため、1人親方に依頼をする際は、しっかりと技量を見定めなければいけません。年間の施工件数を聞いたり、施工した物件を確認しておくのも良いでしょう。
大きな会社の場合は、人員も多く組織で動きます。組織で動くため、1人親方のように出来不出来の差が小さいメリットはありますが、平均的な出来栄え、平均的な個性の家が多く、建主によってはしっくりとこないことがあるようです。業者自体の情報が少ないケースもあるため、良い業者と巡り合うことはなかなか難しかったりします。
このように、どの施工業者を選ぶかで、注文住宅の出来栄えも変わってきます。どんなに良いプラン・設計図であっても、業者の技術力がなければ満足のいく家づくりはできません。また、業者によっては、いい加減な考え方を持ち手抜きをすることもあるため注意が必要です。
施工業者だけでなく設計事務所選びも大事
注文住宅でもピンからキリまであるのは、施工業者だけが原因ではありません。どの設計者・設計事務所に依頼をするかでも、住宅の出来が変わってきます。
設計事務所によっては、満足に設計ができないところもありますし、概算の見積もりも出さず、コスト意識が低い事務所もあります。そのため、たとえ雑誌などに紹介されている事務所だからといっても安易に信頼してしまうのは危険です。
設計事務所の仕事の取り組み方がいい加減だと、そこから依頼を受けた施工業者もいい加減な工事をおこなう可能性もあるため、手抜き設計事務所に依頼をしてしまうと最悪です。
少なくとも、建主の要望を聞かない、概算の見積もりを出さない、過去の実例を説明できないなど、違和感を感じる設計者については、依頼は避けた方がいいでしょう。
安すぎる土地は要注意!悪徳不動産業者が売りつけているだけかも?
誰もが「安くて魅力的な土地」を欲しがりますが、そうあるものではありません。とても魅力的な代わりに高い土地か、とても安い代わりに魅力があまりない土地かのどちらかです。
そのため、不動産業者に安くて魅力的な土地を勧められた場合は、疑問を持った方がいいでしょう。タイミング良く、そういった土地が出た可能性もありますが、悪徳不動産業者に売りつけられている可能性もあるためです。
ここでは、注意すべき不動産業者や悪徳不動産業者の手口について紹介しています。この記事を読むことで、土地を購入する際に業者に騙されずに済むため、これから土地購入を検討している方は、ぜひご覧ください。
良いことしか伝えない不動産業者もある
一般的に、土地を購入する際は、多くの情報を持っている不動産業者を介して購入をします。不動産業者は、土地の売り手と買い手の仲介役を担い、それぞれから仲介手数料が入るため対応が非常に丁寧なことが多いです。
ただし、稼ぐことしか考えていない不動産業者は、とにかく売買を成立させるために、悪い情報は伝えず良い情報ばかりを伝えます。悪い情報を知られて、買い手のモチベーションが下がることを恐れているためです。
さらに酷い不動産業者になると、契約時に重要な事柄を説明するための重要事項説明書があるのですが、そこにもネガティブな情報は書かず、口頭でサラッと説明をして終わらせてしまいます。
良いことばかりを説明し、ネガティブなことをほとんど口にしない不動産業者は気をつけた方がいいでしょう。
いわくつきの土地を平気で売りつけてくる悪徳不動産業者
土地を選ぶとなると、日当たりや風通し、駅や病院、スーパー、学校までの距離、電気や上下水道の設備が整っているかなど、さまざまなことが気になるものです。そして、ついつい良い条件の土地が気になってしまうものですが、条件が良いほど価格は高くなります。
こういったとき、特に予算に余裕がない建主は悪徳不動産業者に気をつけなければなりません。なぜなら、悪徳不動産業者は、ある程度条件が良く価格が安い、いわくつきの土地を売りつけてくるためです。「安くて魅力的だと思って購入したら、地盤が悪くて。。」と、購入費は安くても地盤改良費に多額の費用がかかるケースもあります。
また、市街化調整地域など、建築物を建てられない場所を勧めてくる可能性もあるため注意が必要です。一般の人が購入できない農地を販売してくる業者もいるぐらいですので、儲けることしか考えていない悪徳不動産業者に騙されないように細心の注意を払う必要があります。
確認申請には要注意!役所の許可=安心できる家ではない
家を建てる前に、図面などのチェックを役所にしてもらうのですが、役所のチェック=安心でないことを理解しておきましょう。手抜きする施工業者や設計者はたくさんいて、役所のチェックだけで手抜きを見抜くことは難しいです。
ここでは、役所のチェックである確認申請の内容について紹介しています。役所だからといって、変に安心感を持ちすぎないことが大事です。
これで家づくりも安心!?役所の確認申請
家を建てる際、「確認申請」といって、役所の担当部署に図面などを提出して、法規で定めた最低基準に抵触していないかチェックを受けなければなりません。
たとえば、建物が4m以上の道路に2m以上接しているかどうか、建ぺい率や容積率は守られているか、通風や部屋の採光に問題はないか、火を使う部屋の内装仕上げは大丈夫かなど、基本的な内容について確認をしていきます。
もちろん、これらの確認事項が基準に抵触している場合は、家を建てることはできません。
確認申請は図面2〜3枚だけで概要が最低基準に達しているかどうか
建主からすれば、確認申請でたくさんの項目をチェックされるため、「安心できる家づくりができる」「役所のチェックをクリアしたので大丈夫だ」と、確認申請を終えることで、これから建てる家に対して安心感を覚えます。
しかし、確認申請をクリアしただけで安心できるかというと、残念ながらそうではありません。
確認申請の際に提出するのは、平面図や立面図などの住宅の概要を表した図面だけです。そのため、住宅の細かい部分や仕様、性能などをすべて表しているわけではありません。
それに、確認申請は、あくまでも法規で定めた最低基準に抵触していないかをチェックするだけなので、確認申請をクリアしたからといって、「安全・安心な住宅」が保証されるわけではありませんので注意してください。
手続きを代行で済ませる設計事務所もある
通常、確認申請は担当した設計事務所が申請をします。1番スムーズですし、余計なコストもかからないためです。
しかし、面倒な作業を嫌がるいい加減な設計事務所は、手続きを代行する事務所に依頼をすることがあります。「手続きが面倒だし、別の仕事に取り掛かりたいから」という理由で、代わりの事務所にお金を支払ってやってもらうのです。
もちろん、このときかかる費用は、結果的に建主が負担することになります。
確認申請では手抜きを見破れない
確認申請をしたとしても手抜き施工は見抜けないということを理解しておきましょう。確認申請で見抜けるのであれば、とっくに手抜き施工は撲滅しています。変に安心をせず、施工業者や設計者が手抜きをしていないか、別の視点からチェックするようにしてください。
中間検査・竣工検査に合格しても安心できない
家を建てる際は、中間検査や竣工検査があるのですが、これらの検査に合格をすると「安心・安全に暮らせる家」というイメージを持ってしまいます。しかし、これらの検査だけで手抜きを完全に見抜くことはできません。
中間検査や竣工検査を受けることで、変に安心感を持たないようにしましょう。
現在は竣工検査が義務付けられている。中間検査は地域により条件がばらばら
以前は、住宅金融公庫のなどの公的融資を受ける場合は、竣工検査や中間検査が受けられたため、建主としては最低限の品質確保ができました。しかし、公的融資を受けていない木造住宅では、竣工検査は受けられないのが一般的だったため、品質に自信を持てない建主も少なくありませんでした。
しかし、現在では法律が変わり、竣工検査を受けることが義務付けられていますし、工事途中に中間検査もおこなうようになっています。ただし、中間検査は、地域によって検査対象となる住宅が異なり、木造2階建ての場合は対象外となっているところもあるようです。
中間検査や竣工検査をクリアしても手抜きは見抜けない
たとえ、中間検査の対象となっている住宅だとしても、安心はできません。中間検査をする人たちは、住宅の高さ制限や配置については詳しくチェックをするものの、骨組みなどについてはあまり細かくチェックをしないためです。
公的融資の仕様書の内容より丈夫なつくりになっていたら、「仕様書には載っていないからメだ」という人もいたくらいです。
中間検査や竣工検査だけでは手抜きを完全に見抜くことは難しいため、これらの検査をクリアしたからといって、安心し過ぎないようにしましょう。
安心して住めるローコスト住宅を建てるために
安くても安心して住めるローコスト住宅を建てるために、良い営業マンや不動産業者を見極めることは大変重要である理由を説明して参りましたが、いかがでしたか?
記事の後半では、役所に提出する確認申請や、中間検査を通過しても、それだけで安心・安全が保証された住宅ではない理由についても解説しました。一度家づくりが始まってしまうと、業者を途中で変える訳にはいかないので、いかに業者選びが大切かをわかって頂けることと思います。
家づくりの第一歩っである業者選びが、すべてを決めるといっても過言ではないくらいです。まずは、住宅メーカーの営業マンや不動産会社の言葉を鵜呑みにしないことを肝に銘じてください。良いことだけでなく、悪いこともしっかり伝えてくれる業者で、悪いことがある場合は納得のいく理由と根拠、代替案などを提示してくれる業者を選びましょう。
注文住宅で後悔しないために…
イメージ通りの注文住宅を安く建てる方法はこちら。