ローコスト住宅を建てる時に、建主が一番に力を入れるべき部分は、業者選びです。業者を選ぶポイントとして、設計者の実績や、方向性は自分が建てたい家のイメージが合っているか、など、相性の部分に注目すると良いでしょう。
この記事では、設計者の見極め方と、いざ施工が開始した時の建主としての振る舞い方について、7つのポイントにまとめてお伝えしています。
是非、この記事を読んで良いローコスト住宅を建てる際のポイントをおさえ、安くても工夫が満載で、満足できるローコスト住宅の完成を目指しましょう。
ローコスト住宅をつくるために大事な7つのポイント
ローコスト住宅をつくるためには、我慢すべき点や注意すべき点がいくつかあります。
これらは、少ない予算で家を建てるわけですから仕方がないことなのですが、「せっかく建てるマイホームだから」「一生に一度の買い物だから」など、気持ちが高まり、ついつい欲張ってしまうものです。しかし、これではローコスト住宅を建てることはできません。
ここでは、ローコスト住宅をつくるために大事な7つのポイントについて紹介しています。これらのポイントに注意することで、無理なくローコスト住宅をつくることが可能です。ぜひ参考にご覧ください。
十分に時間をかけてプランの検討・決定をする
ローコスト住宅を建てる際は、多少時間をかけてでも細かい部分まで詰めたプランを決定することが大事です。なぜなら、プランの決定が予算を左右するためです。
見積もりの段階で仕様を変更して金額を下げようとしても、ほとんど金額は変わりません。ローコストな家を建てたい場合は、プランを決める段階で十分に検討して仕様や工法を決めておくことが重要です。
プランを十分な検討もなく決めてしまうと、建主・設計者・施工業者のみんなが困ってしまいます。設計図が完成したとしても、見積もりが予算を大きく上回ることがあるためです。
プランの段階でしっかりと詰めておけば、このようなことは防げますが、ある段階まで進んでしまうと金額を下げるにも限度があります。計画を大きく変更するか、足りない分の金額を捻出するか、計画を諦めてしまうかしか方法がなくなるのです。
しかし、ただ価格が安く、品質も低い家をつくっても意味がありません。価格が安いうえに品質の高い家をつくるためにも、プラン決めなどに十分に時間をかけるようにしてください。
面積は増やさず不要な間仕切りも省略する
ローコスト住宅を建てるのであれば面積を増やさないことです。あたりまえですが、面積が増えれば工事金額も増えます。コストを抑えたいのであれば、間取りもできるだけコンパクトにするべきです。
また、家の形状を、真四角のシンプルなものにするなどしても費用を安く抑えることができます。
「一生に一度の大きな買い物だから」ということで、ついつい面積を増やしたり、部屋を多くしたり考えがちです。しかし、ローコストな住宅を建てたいのであれば、面積を増やさず、不要な間仕切りは省略すべきなのです。
後でつくれるものまで欲張らない
せっかく家を建てるからといって、何でもかんでも最初からつくる必要はありません。造付け家具など、「良さそうだから」「せっかくのマイホームだし」と欲張ってしまうと、多くの費用がかかってしまいます。後からつくれるものほど、コストも高いものです。
仮に、新築の際につくらなかったとしても、住み始めてから必要であればつくることも可能です。ローコスト住宅を建てたいのであれば、後でつくれるものは新築時につくらないようにしましょう。
豪華設備の導入は諦める
ローコスト住宅を建てたいのであれば、豪華な設備などは諦める潔さも必要です。
豪華な設備は見た目も華やかなため憧れるのもわかりますが、一式導入するだけで数百万円のコストがかかることも珍しくありません。予算が十分にある場合は何ら問題ありませんが、ローコストでマイホームを持ちたいのであれば、スッパリと諦める潔さを持ちましょう。
それに、仮に設備に数百万円かけるのであれば、木材などにお金をかけた方がコストパフォーマンスの高い家づくりができます。
本気でローコスト住宅を実現したいのであれば、お金をかけるところを間違わないようにしましょう。
「ないと困る」ものだけに絞る
新築の家を建てる際は気持ちが高ぶるため、ついつい「◯◯の機能もあると便利そう」「△△も付いていれば使いそう」など、あると便利そうだからという理由で、照明の調節機能や床暖房など、さまざまなものを付けてしまいます。
しかし、「あると便利そう」なものはたくさんあるため、これらを採用していくとコストだけが膨れ上がっていきます。ローコスト住宅を建てたいのであれば「あると便利そう」ではなく、「ないと困る」ものだけに絞るべきです。
こだわりすぎない
ローコストでマイホームを持ちたいのであれば、仕様にこだわりすぎないことです。「アルミサッシではなく木製サッシにして欲しい」「断熱材は炭化コルクにして欲しい」など、インターネットや本で勉強をして仕様にこだわりがある建主も多いのですが、こだわることでコストが高くなる可能性があります。
予算が余っていれば問題はないのですが、できるだけ予算を切り詰めたい場合などは、こだわりすぎず、設計者に任せた方がいいです。
自分でつくる
家を建てる際、自分で工事できるところは自分ですると費用を抑えることができます。なぜなら、建築費の多くは職人さんたちの人件費だからです。そのため、塗装などを自分でおこなうだけでもコストカットが可能ですし、さらにマイホームに愛着を持って接することができます。
自分で工事をすることで技術も身に付けられるため、維持管理もしやすくなります。
家を建てる前に要確認!良い設計者を選ぶための7つのポイント
満足のいく家を建てるために、設計者選びは非常に重要です。設計者が違うだけで完成する家の特徴も大きく変わるためです。建主の住みたい家をカタチにしてくれる設計者か、家づくりの特徴が建主の好みと合うか、手抜きをする設計者ではないかなど、しっかりと確認をして依頼する設計者を決めなければなりません。
そこで今回は、良い設計者を選ぶための7つのポイントについて紹介しています。これらのポイントを参考にすれば、後悔しない家づくりができる設計者と出会えるはずですので、ぜひ参考にご覧ください。
建主の要望を聞いてくれる設計者かどうか
建主の要望をしっかりと聞いてくれるかどうかは、設計者選びにおいて重要なポイントです。設計者の中には、建主の要望を取り入れると仕事の手間が増えると考え、わざと要望を聞かない人もいます。こういった設計者は、自分の立てたプランを強引に押し付けてくるため注意が必要です。
また、家を建てる目的が「自分の作品づくり」の設計者もいます。こういう設計者は、作品づくりを邪魔されたくないため、まったく建主の話に耳を傾けないです。これでは、満足できる家づくりはできません。
設計者を選ぶ際は、建主の要望をしっかりと聞いてくれる人かどうかを見極めるようにしましょう。「要望を聞いてくれますか?」と直接質問しても、肯定する返答しか返ってきませんので意味がありません。数回設計者と会えば、要望を聞く設計者かそうでないかは自然とわかります。
概算の見積もりを出せるかどうか
概算の見積もりを出せるかどうかも、設計者を選ぶ際の大事なポイントです。なぜなら、設計者によっては、概算を出さずにすぐに見積もりをとってしまうためです。
「概算を出すのには手間がかかるから」と、施工業者に頼む設計者もいます。概算の見積もりを出すのには手間がかかりますが、コスト意識が高い設計者であれば、あたりまえにやっていることです。
そのため、概算も出さない設計者は、コスト意識が低く、コストコントロールがきちんとできない可能性があります。
ローコスト住宅をつくるためには、コストコントロールがきちんとできる設計者に頼むことが不可欠です。
見積もり査定をするかどうか
設計者を選ぶ際は、見積もりの査定をきっちりとおこなう人を選ばなければなりません。設計者には見積もりを査定する義務がありますが、まったく査定しない手抜き設計者もいるため注意が必要です。
通常は、設計図どおりの仕様になっているか?などを、きちんと確認しなくてはいけませんが、それすらもしないため、施工業者が勝手に仕様を変えていたとしても気付けません。
見積もりの査定をしない設計者は、当然コスト意識が低いため余計な費用がかかってしまいます。
設計した家を見せてくれるかどうか
検討している設計者が過去にどのような家をつくったか気になりませんか?設計した家を見せてくれるかどうかも、設計者選びの1つのポイントです。
まず、設計者のつくった家を見ることはとても重要です。なぜなら、設計者によってつくる家の特徴が異なるため、実際に完成した家を見ることで、自分に合うかどうか知ることができます。
また、ある程度築年数が経過した家も見れるため、どのように味が出て、経年劣化しているかも確認可能です。
なかには、建主と何らかのトラブルがあり、設計者が出禁になっていることもあるため、設計した家を見せてもらえない場合は別の設計者を探した方がいいでしょう。
施工業者が毎回同じかどうか
基本的に、設計者は信頼できる同じ施工業者に工事を頼むことが多いです。なぜなら、お互いの仕事の特徴や進め方もわかっていて信頼関係があり、やりやすいためです。
もちろん、毎回違う施工業者に依頼していても問題はないのですが、仕事の進め方などでトラブルがあって、毎回業者が変わっているのかもしれませんので注意は必要です。
そのため、できれば同じ業者に依頼をしている設計者の方が安心はできるでしょう。
これまでの住宅の事例を説明してくれるかどうか
設計者を選ぶ際は、できれば1度設計者のもとを訪ねるようにしましょう。そして、設計者がこれまでつくってきた住宅の事例について説明をしてもらってください。
そうすることで、設計者がどのようなこだわりや考え方を持ち、家づくりをしているのか、どのように仕事に取り組んでいるのかがわかるためです。
設計者のなかには、非常にいい加減な考え方で仕事に取り組んでいる人もいます。そういった人は、過去の事例について具体的なことをほとんど話せないはずです。手抜き設計者を見極めるためにも、直接会って住宅の事例や仕事への取り組み方を聞くようにしましょう。
良いことだけでなく悪いことも説明してくれるかどうか
良い設計者を選ぶためのポイントの1つが、良いことだけでなく悪いことも説明してくれるかどうかです。手抜き設計者やとにかく仕事が欲しいだけの設計者は、基本的に良いことしか説明をしません。悪いことを説明して、建主のモチベーションが下がっては困るからです。
建主の出す意見や要望に対して、しっかりと良いこと・悪いことを説明してくれる設計者を探しましょう。もちろん、良いこと・悪いことを説明する際は、明確な理由や根拠が必要です。
あまりにも良いことばかりを話す設計者は、疑ってかかった方がいいでしょう。気分が良くなって騙されないようにしてください。
施工開始してからも気を抜かない!良い家を建てる建主のふるまい方
満足のいく家づくりをするには、設計者や施工業者だけでなく、建主の存在やふるまい方も非常に重要です。建主の姿勢や行動によって、良い家づくりができるかどうかが変わることもあります。建主の振る舞いによっては、コストが膨らむ可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、家を建てる際の建主の姿勢や行動の重要性、リスクについて紹介しています。この記事を読むことで、余計なコストをかけない良い家づくりができるようになりますので、参考にご覧ください。
建主だけで判断・決断はせず設計者の意見を聞く
注文住宅などは他の製品と違って、できあがったものを買うわけではありません。これからできるものを買うことになるため、建主は冷静に判断ができないことがあります。
なぜなら、ちょっとした部分を変更するだけで、他の部分も連動して変わるので複雑だからです。家づくりに関して素人である建主だけで、判断・決断するのは非常に難しいです。
だからこそ、「間取りをどうするか?」「材料は何を使うか?」「デザインをどうするか?」「サッシは何を使うか?」「外壁はどうするか?」など、さまざまなことを建主だけで考えて決めるのではなく、家づくりのプロである設計者と打ち合わせを重ねて決めていくことが大事です。
このとき、設計者のアドバイスにしっかりと耳を傾けるようにしましょう。
建主が現場で勝手な振る舞いをするとコストが膨れ上がる可能性
設計者と何度も打ち合わせを重ねて、アドバイスを聞いたうえでプランが確定したら工事へと進みます。建主は、工事現場でも気をつけなければならないことがあります。それは、何か意見や要望を出す際は、現場の命令系統を守ることです。
会社でも指示を出す際、部長→課長→係長、、、など、命令系統が決まっています。施工現場では、設計者→現場監督→職人で、報告の場合は、職人→現場監督→設計者の流れであることが一般的です。
そのため、建主が何か依頼をする際は、しっかりとこのルールを守ることが必要です。たまにあるのが、現場に建主が来て勝手に職人さんに依頼をすることです。
職人さんは、建主からの依頼なので断らずに応じますが、現場監督や設計者も変更したことをあとで知ることになるため、他の工事に悪影響が出ることがあります。
また、建主は「職人さんがサービスで対応してくれる」と思っているかもしれませんが、ちゃんとお金は請求されます。基本的に、職人さんが無償で対応することはありません。そのため、建主の勝手な振る舞いによって多くの追加金額が必要となり、当初の予定よりもコストが大きく膨らむ可能性があります。
追加工事に使う材料は時価となり、見積もり時よりもコストが高いことが多いため、十分に注意が必要です。
注文住宅で後悔しないために…
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