見積もりと実際の材料が違う!?ローコスト住宅に多いトラブル対処法


住宅建築において、実にたくさんの材料が使用されることは、想像に難くない事実ですが、稀に人為的なミスで、材料が予定していたものと取り違えられることがあります。

また、悪質な業者においては、よりコストを安く抑えようと意図的に材料をすり替えてしまうケースもありますので、積極的に建築工事現場に足を運び、見積りや打ち合わせで決まった材料が使用されているか確認しておくと良いでしょう。

家を建てるとフローリング材まで変わってしまう!

悪質業者の材料の差し替えに注意
手抜き業者は、施工の面倒な手間を省くだけではなく、コストカットのために決まっていた材料すらも勝手に変更してしまいます。特に、フローリング仕上げにする際は、打ち合わせや見積もり時の内容と実際の内容に違いがないか確認するようにしましょう。

コストカットのために材料を変更する業者への対処方法

ローコスト住宅や注文住宅など、現在では多くの家の床がフローリング仕上げになっています。しかし、フローリング仕上げにする際は注意が必要です。

なぜなら、フローリング仕上げは手抜き業者が喜ぶからです。フローリング材は、非常にコストの高いムク材から、合板に薄い木を貼ったコストの安いものまで、さまざまな種類があります。

そのため、手抜き業者は打ち合わせや見積もりの段階で決めたフローリング材ではなく、色味の似たさらにコストの安いフローリング材を使用して、多くの儲けを出そうとするのです。

実際のフローリング材がムク材か合板フローリングなのかは、居住者などの素人には見分けることは難しいため、「色味が似ていればバレないだろう」とコスト重視で簡単に手抜きをしてしまいます。住み始めて数年後に別の修繕工事をするため、フローリングを外したときに注文したフローリング材じゃなかったと初めて気づいたというケースもあるぐらいです。

手抜き業者は施工の面倒な手間を省くだけでなく、コストを下げるために使用する材料自体を勝手に変更するなど、非常に悪質なことをおこなうため十分に気をつけましょう。

家を建てる際はクロス選びに注意!

壁紙のチェックポイント
打ち合わせや施工時など、マイホームのクロスを選ぶ際は十分に注意しましょう。なぜなら、業者が上手く自分たちにメリットの大きいクロスを勧めてくる可能性があるためです。

良い施工業者であれば何の心配もいりませんが、利益重視の業者はクロス貼りでも巧妙な手口で居住者を騙してきます。

ここでは、悪徳業者がどのような手口で手抜きをするのか紹介していますので、手口を把握し、警戒心を持てるようにしましょう。

見積もり時よりも安いクロスを選ばせ儲けを増やす

ローコスト住宅や注文住宅など、マイホームを建てる際の天井や壁はビニルクロスで仕上げるのが一般的です。ビニルクロスは非常に種類が豊富なので居住者も好みに合わせて選ぶことができます。

また、価格も幅広いため予算に合わせて選ぶことが可能です。最近は、環境や住む人にもやさしいエコクロスも多くのメーカーから販売されていて人気があります。

見積もりの際に決めていたクロスが、施工時に変更になることは珍しいことではありません。なぜなら、「クロスは◯◯より△△の方が合いそう」など、実際に建っている家を見ることで考え方が変わる人は多いからです。そのため、施工業者は、仕上げ段階になると居住者に見本帳を見せて貼るクロスを最終決定します。

良い業者であれば予算に合った種類など、可能な限りすべてを見せて居住者が納得したクロスに決定をします。
手抜き業者の場合は、少しでも自分たちの儲けを出すために、見積もりのときよりも安い種類を選ばせるようにするケースもあるのです。

見積もりの際の金額は、「クロスの材料費」「施工費」を合わせた金額となっています。そのため、居住者はクロスの材料費が具体的にどれくらいするのかを知ることはできません。

基本的には、どのクロスの種類でも壁や天井に貼る手間はほとんど一緒です。家1軒あたり200〜300㎡は貼り面積がありますので、見積もり時よりも材料費が1円でも下がれば、手抜き業者は儲けを増やすことができます。

儲けを増やすために、居住者に上手く見本帳を見せ、少しでも安いクロスを選ばせる業者に注意が必要です。

無地のクロスを選ばせて余計な手間を省く

手抜き業者は、居住者にただ単に安いクロスを選ばせるだけではありません。手抜き業者としては、継ぎ目の柄合わせの手間を省きたいため、上手く説明をして居住者に無地のものを選ばせるようにします。無地のクロスであれば、継ぎ目の柄合わせをする必要がなく、貼る際に余計な手間がかからないためです。

見積もり時よりも安い種類を選ばせることで儲けを増やし、かつ、無地のものを選ばせることで施工の手間を最小限に抑えるのです。もちろん、居住者が見積もり時よりも高いクロスを選んだ際は、しっかりと差額分を回収します。

手抜き業者は親切を装い迫ってくる

このように、クロス一つをとっても、良い業者か手抜き業者かで出来栄えや居住者側のコストが大きく変わってきます。手抜き業者は、自分たちの儲けのために、「居住者のため」という親切を装い迫ってくるため騙されないようにしなければなりません。

実際に安い価格の材料を選んだ分、住宅の購入額も割引になるのであれば問題ありませんが、支払い金額に差が出ない場合は、利益最優先の悪質な業者の可能性もあるので、十分に気をつけましょう。

和室のある家を建てる際は天井に注意!見積もりにはないラミ天が使用される

和室の天井
家を建てる際、1部屋でも和室を設ける場合は天井板に気をつけてください。なぜなら、手抜き業者は、見積もりに入れている張り天ではなく、石膏ボードや合板に印刷紙を貼っただけのラミ天を勝手に使用しているケースがあるためです。

居住者が素人であることをいいことに、コストカットのために勝手に材料まですり替えてしまいます。

ここでは、和室の天井板に関するチェックポイントを紹介しています。どのような施工がおこなわれるのかを把握することで、良い業者と手抜き業者を見分けられる可能性が高くなります。

和室の天井板は杉柾練付けベニヤ(張り天)やラミネート天井材(ラミ天)

建売のローコスト住宅や注文住宅など、多くの家の床はフローリング仕上げであり、洋風テイストの家を建てる人も増えています。しかし、これだけフローリングが主流になっていても、1部屋和室を設けている家も少なくありません。

3LDKや4LDKの間取りの中で、1部屋を聚楽壁(じゅらくかべ)や柾目模様(まさめもよう)の天井、畳床(たたみどこ)の和室にしてくつろげる空間にしています。

以前は、和室の天井板をムク材で張っていましたが、現在は、杉柾(すぎまさ)練付けベニヤ張り天と呼ばれる、秋田杉などを薄くスライスしてベニヤに貼ったものが使用されています。

杉柾(すぎまさ)練付けベニヤを天井板に使用する際は、手袋をして、施工時に手の脂が付かないようにするのが一般的です。

もし、手袋をせずに施工をすると、後々、脂が浮き出てきて目立ってしまいます。そのため、業者は気を遣い丁寧に施工をするのです。

また、ラミ天とも呼ばれるラミネート天井材を使用する場合もあります。ラミネート天井材は、木目を印刷した紙を石膏ボードや合板に貼ったもので、杉柾練付けベニヤに比べて手垢が付くにくく、取り扱いがラクなのが特徴です。

ただし、気をつけないと、何かの都合でラミネート天井材にテープなどを貼ってしまうと、石膏ボードや合板に貼っている木目を印刷した紙がはがれてしまいますので注意が必要です。

コストで考えると、ラミネート天井材よりも杉柾練付けベニヤの方が高いです。

手抜き業者は見積もりと違う材料を使用する

ラミネート天井材の表面は加工されていますし、天井を間近で見ることもそうないため、木目を印刷した紙を石膏ボードや合板であることは素人にはわかりません。

良い業者は、予算や出来栄え、ムク板や杉柾練付けベニヤ、ラミネート天井材の違いなども居住者にしっかりと説明し、決まった材料を使って和室を仕上げます。
手抜き業者の場合は、「どうせ居住者には細かいことはわからないだろう」と考え、コストの高いムク板や杉柾練付けベニヤで見積もりを出します。

しかし、天井板が現場に入ってくるのは工期の中盤以降ですので、見積もり時とは違う、コストの安いラミネート天井材にすり替えいている場合があるのです。ラミネート天井材は杉柾練付けベニヤのコストの1/2〜1/3程度なので、使用する材をすり替えることで大きくコストを抑えることができ、その分、儲けを増やすことができます。

当然、居住者は見積もりに入っている杉柾練付けベニヤが使用されていると思っていますし、ラミネート天井材とすり替わっていることに気づくことも難しいです。仮に、疑問に感じて「天井板は杉柾練付けベニヤですか?」と業者に確認を取ったとしても、業者は「見積もり通り杉柾練付けベニヤを取り付けていますよ」などと答えて、居住者は納得するだけです。

手抜き業者は、とにかく自分たちの儲け先行で物事を考え、儲けを増やすためであれば、居住者を騙すようなことを簡単にしてきます。居住者は、高いお金を支払っているにも関わらず、下手をすれば、杉柾練付けベニヤがラミネート天井材にすり替えられたことに一生気づくこともできません。

和室のある家を建てる際は聚楽壁の出来栄えをチェック

和室のチェックポイント
和室と聞けば聚楽壁(じゅらくかべ)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。和室らしさや重厚感を感じられる聚楽壁(じゅらくかべ)ですが、手抜き業者にかかれば聚楽壁(じゅらくかべ)さえもコストカットの対象になります。

素人の居住者にはバレないだろうと、平気でビニルクロスなどを使用し、居住者にも嘘の説明をするのです。

ここでは、聚楽壁(じゅらくかべ)の手抜きの手口について紹介しています。手抜き業者がどのような手抜きの作業をするのか、少しでも多く把握し、そういった被害に遭わないようにしましょう。

和室の壁といえば聚楽壁(じゅらくかべ)

建売のローコスト住宅や注文住宅など、現在、ほとんどの家が洋風化していて、大半の部屋がフローリング仕上げになっています。しかし、洋風化が進む中でも、1部屋は和室が欲しいと希望する人は決して少なくありません

和室はフローリングの部屋にない温かみがあり、居心地も良いですし、フローリングよりも床が軟らかいため小さい子供が遊んでいても安心できます。

和室といえば、床は畳で天井はスギの柾目模様(まさめもよう)、そして壁は聚楽壁(じゅらくかべ)です。これらの和室ならではのつくりに癒やされる人も非常に多いです。

聚楽壁(じゅらくかべ)とは、京都西陣の聚楽第跡地付近で取れる本聚楽土を使って仕上げた土壁のことで、歴史的建造物やお茶室などにも使われています。

貫に格子状に竹を縄で編み込み下地をつくり、その上から土を塗り重ねていきます。聚楽壁は上塗り用の土壁であり、厚さ2mmで塗り仕上げる必要があるため、ムラや傷が少しでも入ってしまうとすべて塗り直しとなってしまいます。聚楽壁(じゅらくかべ)は、このような気を遣う作業をおこない、職人さんが丁寧につくりあげていくのです。

コストのかからない聚楽壁風ビニルクロスを使う

和室の壁は聚楽壁(じゅらくかべ)ということにだいたい決まっていますが、現在は、似た色味や質感の材料を使っていることが多いです。

しかし、左官仕上げは非常に手間と時間、さらにはコストもかかるため、利益重視の業者には嫌がられてしまいます

そのため、手抜き業者は、手間・時間・コストのかからない聚楽壁風のビニルクロスを貼って仕上げることがあります。ビニルクロスで仕上げれば、聚楽壁にするよりもコストが1/2〜1/3程度に抑えることができるため、その分、自分たちの儲けを多くできるのです。

仮に居住者から疑問を持たれたとしても、「最近はこれが定番」「どこの家も聚楽壁風のビニルクロスで仕上げる」「本物の聚楽壁だともっと高くなる」などと説明をします。居住者は素人ですので、業者からこのような説明を受ければ「そんなもんか」と納得してしまうものです。

見えないところでコストカットをする業者に要注意

同じ金額で家を建てるとしても、仕事が丁寧な良い業者がつくるか手間やコストカットばかりを考える手抜き業者がつくるかで出来栄えは大きく変わります。

質よりも手間やコスト削減を優先しようとする業者は、特に見えない部分でさまざまな手抜きが横行しているものです。ここでは、悪質な施工を見抜けるように、チェックすべき施工方法について紹介しています。

見積もりはヒノキの柱だが、実際はコストが半分以下の柱を使用

住宅の柱に用いる木材
手抜き業者は居住者に見える部分でも手抜きをしていますが、居住者から見えない部分であれば、見える部分以上に手抜きをするため注意が必要です。

壁の中や床下、天井の中など、仕上がると中が隠れてしまう部分は、極力コストをかけないようにします。

たとえば、最近は柱が見えなくなる大壁を採用した家が増えています。大壁でない場合は柱が見えるため、ヒノキの柱を使用する際は1本1万円以上など、非常にコストが高くつきます。大壁の場合は柱を隠せるため、ヒノキを使用せずにもっとコストの安い柱で済ませることが可能です。

手抜き業者は、見えない柱のコストを安くするだけではありません。見積もりにはコストが高いヒノキの柱を入れて、実際にはコストが半分以下の柱を使用し、差額分を儲けるのです。何も知らない居住者は、壁の中にはヒノキの柱が使われていると思い、高いお金を支払います。しかし実際は、まったく違う材質の柱が使われており、ヒノキの柱に支払ったお金の大半は業者の懐に入っているのです。

継手や手口の刻み間違いがないか注目

手抜き業者は、骨組みの継手や仕口についても「どうせ見えないから」と、手間をかけることなく、いい加減に仕上げてしまいます。刻み間違いがあっても「隠れてバレないから」と、材料を取り替えることなく済ませてしまう場合もあります

現場監督にこれらの手抜き施工について質問したとしても、素人である居住者が納得するようなことを適当に説明されて終わってしまいます。

プレカットの納まりが悪くないかチェックする

プレカットの普及により、現場で大工さんの手を煩わせることも少なくなりましたし、コストも抑えることが可能になりました。ただし、プレカットはコスト安いですが、できあがった材の納まりが悪い場合があります。そのため、コストに魅力を感じても出来栄えに疑問を感じて、導入しない現場・業者もあるほどです。

しかし、手抜き業者はプレカットの納まりの悪さなど気にもしません。プレカットの納まりが悪かったとしても、コストが安いため業者の儲けを多くできるからです。そもそも、納まりの良し悪しにまったく関心がない業者もいます。

ローコスト住宅の注意点!実際に使う材料が違うトラブルの対処法のまとめ

ここまで、見積りや打ち合わせ時と違う材料を使われてしまうトラブルの実態と、対処法について解説して参りました。

ミスであれ、意図的なことであれ、見えない部分や、素人では気づかない部分で材料のすり替えが行われてしまうと、後に様々な不利益につながる恐れがあります。住宅を建て始めたら、建築現場に足を運び材料や施工方法をチェックすることで、不正やミスの抑止力にもなり、万が一の時に相違点に気づいたりできるものです。

また、不正による不利益を防ぐには、何よりも信頼できる業者選びが大切です。良い業者選びの第一段階として、複数の業者から相見積もりを取ることが必須です。

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