ローコスト住宅の建設現場でチェック!基礎・土台・木工事の質


家を建てる際に最も注意して確認したいのが、基礎や土台です。

更に、土台ができた後は、木工事を行います。大工さんの腕の見せ所ですが、手抜きやミスがあると、家が傾いたり、強度が十分でなかったり、耐久性に問題があったりと、後で家づくりを後悔するタネになってしまいます。

本記事では、これからローコスト住宅を建てる方に向けて、家づくりで後悔しないために、基礎工事、土台工事、木工事の施工中に建築現場で確認できる「施工のチェックポイント」を紹介いたします。

家を建てる際にアンカーボルトを適当に差し込んでいたら要注意!

ローコスト住宅の基礎工事アンカーボルトをチェック
ローコストの注文住宅など家を建てる際は、業者がどのタイミングでアンカーボルトを設置しているかで、良い業者か手抜き業者かを見分けることも可能です。仮に、コンクリートを流し込んだ後にアンカーボルトをどんどん差し込んでいたら危険です。

ここでは、アンカーボルトの役割や設置方法、設置のタイミングについて確認していきましょう。家づくりにおいて重要な作業の1つですが、手抜き業者を見抜くポイントの1つでもあるため、しっかりと把握しておきましょう。

家を基礎に固定する「アンカーボルト」

家を建てる際、土を掘り型枠を立て、基礎コンクリートを流し込みますが、その際にアンカーボルトと呼ばれる鉄のボルトを埋め込んでおきます。アンカーボルトは、家の土台を基礎に固定するボルトのことで、家の強度、耐震性や耐久性を確保するうえで外せない、非常に重要なものです。

アンカーボルトを埋め込み、埋め込んだ位置に合わせて土台に穴を開けてナットで押さえ固定します。アンカーボルトの間隔は2.7m以内と決まっており、実際に設置する際は、アンカーボルトがずれないように溶接したり鉄筋に針金で縛り固定しておき、コンクリートを打ちます。

また、コンクリートを流し込む際に、アンカーボルトが曲がったり土台を留める効果がなくならないように、アンカーボルトを固定する治具を基礎の型上に固定し、留め付けておく場合もあります。

良い業者は、コンクリート打設の前にアンカーボルトを設置しており、耐力壁と土台継手、アンカーボルトの位置を事前に確認しておきます。面倒な作業ではありますが、安心・安全に住み続けられる家づくりをするうえで、とても大事な工程ですので、業者もしっかり丁寧に作業をおこなうのです。

手抜き業者はコンクリートを流し込みアンカーボルトを適当に入れていく

通常、コンクリートを打設する前にアンカーボルトを設置・固定する必要がありますが、「面倒な作業」を省くために、先にコンクリートを流し込み、固まる前にアンカーボルトを差し込んでいく場合があります

一応、アンカーボルトを2.7m以内に設置はするのですが、ゆっくりしているとコンクリートが固まってしまうため、土台や柱の位置は考えず適当に入れていくのです。

手抜き業者は、「アンカーボルトの位置が悪くても何とかなるだろう」「事前に設置や固定をするのは面倒だし時間とコストがかかる」などのいい加減な考えから、このような手抜きをします。

このように、良い業者は、
1.アンカーボルトを設置・固定2.コンクリート

の打設の流れで作業を行います。

手抜き業者は、
1.コンクリートの打設2.アンカーボルトの差し込み

と、まったく手順が逆ですので、依頼業者が後者の手順で工事をしていた場合は注意しましょう。

家を建てる際は家の傾きにかかわる土台に注目

ローコスト住宅の土台工事の事情
土台は家を支える部分なので、とても重要です。

家の傾きの原因になる可能性があるため、通常は土台同士をがっちりと組むのですが、手抜き業者は組むこともせず仕事を終わらせてしまいます。

「どうせ土台は見えないから大丈夫」と、いい加減な考えで作業をするため大変危険です。

ここでは、土台同士をがっちりと組むことの大切さについて見ていきましょう。

昔は礎石の高さに合わせて柱を切っていた

現在、家を建てる際、柱や骨組みを支える土台は、アンカーボルトを使って基礎に留めます。

江戸時代以降に建てられた家は、多くが同じように土台が用いられていますが、礎石(自然の石)を基礎としており、礎石の形に馴染むように削った土台の上に柱を建て、家を支えていたのです。

さらにそれ以前は、1本ずつ柱を礎石の高さに合わせて切っていたため、大変な手間と労力がかかっていました。

現在は、現場ではなく、工場であらかじめ組み立てることができるようになったため、手間も省け、以前と比べると短い工期で家づくりが可能になりました。

土台は非常に重要な部分だからこそしっかりと組むことが大事

以前は、礎石の上に土台を置き、土台同士でしっかりと組んでいました。なぜなら、土台は家の柱や骨組みを支える重要な部分なためで、仮にしっかりと組まず土台がずれてしまった場合は、土台の上に載っている家が傾く可能性があるためです。

現在でも土台はしっかりと組むことがとても大事であり、慎重で緩みのない仕事が求められます。

木は立てて使う分には非常に丈夫で腐りにくいのですが、地面に近い湿気の多いところで使うと腐りやすくなりますし、横から押しつぶされる力には強くないため、ベストな使い方とは言えないのです。

そのため、古い民家などでは土台が腐っていることも珍しくありません。土台が腐ってしまうと、当然、強度が保てなくなり、家の耐久性や耐震性にも問題が生じてしまいます。

そうならないようにするためにも、土台を継手・仕口でしっかりと組むなどの対応が必要です。

手抜き業者は土台同士を組まず適当な仕事をする

土台は重要な部分だからこそ、しっかりとした対応が必要になるのですが、手抜き業者は土台部分さえも面倒な作業は省いてしまいます。

良い業者であれば、土台同士をがっちりと組みますが、手抜き業者は手間を減らすために、切った土台をただ基礎の上に置いてアンカーボルトで留めるだけで済ませることがあります。

しかし、これではしっかりと土台同士が組まれていないため、土台がずれる可能性があり危険です。

また、業者によっては、ツーバイフォー工法の家で切っただけの土台を置き、その上に根太受けを置いて釘留めするだけなどの手抜きをおこなうこともあります。

良い業者は、もちろん耐久性の高い材種を用い、土台同士を継手・仕口でがっちりと組み、組んだ位置がアンカーボルトの位置と重ならないようにするなど丁寧に細心の注意を払って作業を進めます。

一方、このようなことも考慮せず、とりあえず面倒な作業を省くために土台同士も組まずに適当にアンカーボルトで固定してしまう業者も存在するのです。

家を建てる際の組み方でわかる業者の質

組み手の種類と工法の現状
家を建てる際、木材同士の組み方は1パターンだけではありません。木材を使用する部分や状況によって、組み方が変わりますし、機械か人手かも異なります。

ここでは、代表的な組み方や職人さんの質がわかるチェックポイントについて紹介しています。

特に、ローコストの注文住宅など、価格が安い家を建てる際は手抜き業者に気をつけましょう。

日本の木造住宅は「軸組工法」や「在来工法」が主流

家を建てる際、最近でこそツーバイフォー工法なども普及していますが、元来、日本の木造住宅は軸組工法在来工法が主流です。これらの工法は、木の性質・特性を生かした工法であり、長い歴史があります。

木材同士をつなげて長くする「継手」

家を建てる際に、長い木材が必要な場合は、材料をつなぐのが一般的です。なぜなら、市販の木材は決まった長さ(4mなど)しかないためです。そして、このように木材同士をつなげて長くする加工のことを「継手」といいます。

継手には、蟻継ぎ(ありつぎ)鎌継ぎ(かまつぎ)追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)があり、追掛け大栓継ぎで継いだときの丈夫さが最も強くなりますが、その分加工に手間がかかります。

水平同士の木材を組む「蟻掛け」「渡り腮」

木材の加工はつなげて長くする継手だけではありません。

仕口」といって木材を直角などに組み合わせる加工もあります。そして、仕口も加工する場所によっていくつかの種類があります。たとえば、垂直・水平な木材を組む場合は、ホゾと呼ばれる細い木をつくって差し込みをします。

また、水平同士の木材を組む際は、蟻掛け(ありかけ)や渡り腮(わたりあご)と呼ばれる仕口もあります。

蟻掛けは、加工が比較的簡単で効率よく木材を同一に加工ができるため、非常に多く用いられている方法です。ただし、蟻掛けの場合、どうしても切欠きが大きくなるため、あらかじめ切欠き部分も考慮したうえで木材を太めにしておく必要があります。

蟻掛けは引き離す力に対して強くはないため、土台に使用する際は特に問題はないのですが、もし、床の骨組みなどに使用する場合は、引っ張られたとしても木材が外れないように羽子板金物(羽子板ボルト)で緊結することが必要です。

一方、渡り腮は、木材の面を揃えずに組み上げる加工方法です。蟻掛けと違い、引き離す力に対して強いため羽子板金物などを使った補強は必要ありません。

ただし、木材同士の切欠きもは少ないのですが、渡り腮の加工に慣れていないと手間と時間がかかってしまうため、現在では一般的な加工方法ではありません

機械加工の「プレカット」で工期短縮のメリット

現在は、「プレカット」といわれる機械加工が主流となっています。

プレカットは必要な情報をコンピュータに入力すると機械が自動で加工し、骨組みを組み立てられる状態にまで仕上げます。データ入力に時間がかかりますが、注文をして2週間程度で骨組みが届くため、工期を短縮することが可能です。

また、大工さんが手作業で加工するよりもコストが安いメリットもあるため、ローコストな家を建てる現場でプレカットの利用が広がっています

ただし、プレカットの場合はホゾや継目が短めになったり、丸みを帯びたりするため手刻みのものとは形状が異なります。引っ張られる力にも強くなく、組んだ際に回転する可能性もあるため金物での緊結が必要です。

大工さんが直接加工する「手刻み」

機械加工のプレカットに対して、大工さんが直接、加工すること手刻みといいます。

ただし、手刻みといってもすべて大工さんが手作業で材木を加工するわけではありません。機械や電動工具も用い、大工さんの経験やノウハウも生かしながら加工をします。

プレカットも手刻みもどちらの加工も住宅金融公庫で認められているため、家を建てる際に公的融資を受けることが可能です。

手抜き業者は金物で取り付けるだけで済ませてしまうことも、、、

本来であれば、継手・仕口で木材をしっかりと組み合わせ、組み方の弱点を補うために羽子板金物などで補強をする必要があります。

しかし、手抜き業者は面倒な作業を省くために渡り腮や蟻掛けの加工でしっかりと組むことをせず、金物を取り付けるだけで済ませることがあるため注意が必要です。

このような手抜きをされてしまうと、地震や台風などの災害で強い力が加わった際に木材同士が外れてしまうため、耐久性や耐震性にも大きな問題が生じてしまいます

家を建てるとき手抜き業者は緩めの継手・仕口を好む

組み手工法の素材
注文住宅などでローコストな家を建てる際、業者や大工さんがやたら緩めの継手・仕口を好む場合は注意しましょう。もしかすると、自分たちが面倒な作業をしたくないことから、緩めのものを好んでいるだけかもしれません。

ここでは、通常必要になる組み方や手抜き業者がやりがちなことについて紹介しています。

強度が保てる骨組みの組み方

一般的に、優秀な大工さん、良い施工業者は骨組みをきつく組むように継手・仕口をつくります。

ホゾも土台の高さと同じ長さにすることもありますし、木材同士をしっかりと組むためにケヤキやカシでつくった込み栓を打ち込んでホゾを留めたり、板のような車知栓(しゃちせん)や楔(くさび)などを用いたりもします。

このように、込み栓や車知栓(しゃちせん)、楔(くさび)などを使ってしっかりと組んだところは強度が保たれ、高い耐久性や耐震性を実現可能です。

手間やコストからやりたがらない業者もいる

しかし、これらの組む部分はすべて細工が必要なため、加工には大変な手間とコストがかかってしまいます。そのため、大工さんや業者によっては「面倒だから」「コストをかけたくないから」といういい加減な理由で手を抜くことがあります。

また、これらの作業は、事前に組む順番を考える必要がありますし、継ぎ目がきつめなため、差し込む際にかけやで何回も叩く必要があります。

考えることや、かけやで叩く作業を面倒に感じ、実際に骨組み作業を手伝う鳶工の中にもやりたがらない人たちもいます。

「1日あたり◯◯円しかもらえないのだから、できるだけかけやで叩かなくていいプレカットの方が良い。」など、怠けたい考えの方が勝ってしまうのです。

家の歪みを直す「歪み直し」

家を建てる際、骨組みを建てた後に歪み直しの作業をおこないます。歪み直しとは、家全体の傾きを補正するための作業のことで、柱の傾きを測定して、ワイヤーロープなどで引っ張って傾きを矯正します。

どれだけ良い業者・優秀な大工さんが建てた家でも、家に歪みが生じてしまうことがあります(3mm以内が望ましいとされています)。歪み直しは建入れと言われることもあります。

プレカットの際は仮筋かいで傾きを調整していく

プレカットによる骨組みは、正確な情報をもとに加工できているため、仮に家を建てる際に歪みが生じても比較的簡単に直すことが可能です。

プレカットの場合、継ぎ目やホゾが短めなこともあり、金物で固める前は不安定な状態になっています。

そのため、安定させるために仮筋かいを使って釘で留めておき、傾きを調整して真っ直ぐな状態になったら釘を止め直し、大工さんが筋かいを固定します。

手抜き業者は緩めに組んでいるプレカットを好む

プレカットの場合は上記のように歪み直しをしますが、プレカットでない場合は、組んでいるうちに真っ直ぐになっていくことも多いため歪み直しをしなくても大丈夫なことが多いです。

ただし、骨組みがひどく傾いでいる場合は、簡単には動かないため歪みを直すには大変な手間と労力がかかります。

そうしたことからも、手抜き業者や一部の大工さんの中には、しっかりと組んである家を嫌がり、緩めに組んであるプレカットの家を好む人が多いようです。

やたらと大工さんや業者が緩めの継手・仕口を好む場合は、怪しい可能性があるため注意しましょう。

住宅金融公庫仕様に足りない場合は適当に継ぎ足す

住宅金融公庫仕様の家を建てる場合、材料の都合があったとしても、土台は1m内外、その他の部分は2m内外の長さのある材を使用しなければいけないことになっています。そのため現場では、土台は一方から敷いていくなど、材料の効率を考えて作業をします。当然、うまくいかない場合もあり、住宅金融公庫の仕様に微妙に長さが足りないことがあります。

こういった場合も、手抜き業者は、「少し付け足せば問題ないし、どうせ見えないから」と、適当な材料を使って継ぎ足し納めてしまうのです。そして、住宅金融公庫仕様に強引に仕上げてしまいます。

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