ミスや手抜きを防げる!設計者とコミュニケーションを取るコツ


家を建てる際に、設計者を選べるケースは多くありませんが、設計時点での手抜きを防ぐために、「設計者に気をつけてほしいこと」として、予めメーカー、工務店へ予め伝えておくこともできます。

この記事では、設計者による手抜きやミスのパターンを紹介しています。家を建てる前にチェックしておき、同じことが無いようにメーカーや工務店、設計事務所とコミュニケーションを取って、手抜きやミスを予防しましょう

設計者の手抜きに注意① 設計者なのに図面を描かない

図面を描かない(描けない)設計者
家を建てる際は、施工業者の手抜きだけではなく、設計者の手抜きにも注意しましょう。「設計者が手抜きするの?」と思うかもしれませんが、設計者による手抜きは決して珍しいものではありません

ここでは、図面を描かない手抜き設計者について紹介しています。

手抜き設計者には、いくつかの手抜きパターンがありますので、それらを把握して自分が手抜き被害に遭わないようにしましょう。

図面を描かない設計者もいる

手抜きをするのは悪質な施工業者だけではありません。悪質な設計者も手抜きをするため十分注意が必要です。設計者の手抜きは、大きく分けると以下の3つがあります。

  • 図面を描かない(描けない)
  • 依頼主の意見や要望を聞かない
  • 現場を見ない

いずれも酷い手抜きの内容ですが、設計者にとって「図面を描かない(描けない)」のは致命的で考えられないことです。

便利になっても図面を描かない、いい加減な設計者もいる

昔の設計者は、手作業で図面をすべて描くのがあたりまえでしたが、最近はCADを使って図面を描くことが増えています。CADのおかげで図面を描くスピードは速くなりましたが、アナログでもデジタルでも図面を描く手間がかかることには変わりありません。

そのため、CADがあたりまえになっても、図面を描く技術が乏しい設計者や、面倒な作業を嫌がるいい加減な設計者は図面を描かないのです。

多くの図面がある

設計者が描く図面には、役所に提出する平面図立面図断面図などの申請図や、工事に必要な実施設計図面などがあります。

一般的に実施設計で必要な図面は、以下のとおりです。

  • 配置図・面積表:建物が敷地内のどこに建つかを表したものです。現地を案内する「案内図」も付けます。
  • 外部仕上げ表・内部仕上げ表・特記仕様書・メーカーリスト:「仕様書」と呼ばれ、どういった材料をどの部分に使用するかを具体的に指示したものです。
  • 各階平面図:各階を平面で切り、上から見た図面のことです。
  • 屋根伏図:屋根の形を上から見たもの。勾配の切り替わりを説明しています。
  • 立面図:建物の外観を描いた図面のことです。
  • 断面図:各部材の位置関係や高さを記していて、室内を垂直に切って断面を描いた図面のことです。
  • 矩計図:断面図をさらに細かく描いたもので、建材の組み合わせ方や位置関係なども記されています。
  • 基礎伏図:基礎コンクリートの形状を上から見た図面で、アンカーボルトの位置も記されています。
  • 土台伏図・各階伏図・小屋伏図:土台や床組、小屋組などを上から描いたものです。
  • 軸組図:木組の方法を指示した図面のことです。プレカット業者に平面図・断面図を出せば軸組図を描いてもらえるため、設計者自身で描くケースは減ってきています。
  • 展開図:室内の4面の壁面の様子を描いた図面のことで、窓の位置や高さなどが記されます。
  • 天井伏図:下から天井を見上げた図を描いたものです。
  • 建具表:ドアやサッシなどの建具を正面から描いたものです。平面図と連動しています。
  • 各階電気設備図・器具表:電気配線やコンセントボックス、照明器具の位置などを記したものです。
  • 給排水衛生設備図:給排水の配管を描いたもので、キッチンやトイレの位置と整合性があります。

詳細図を描かず、細かいところは大工さん任せにする設計者

仕様書は、どういった材料をどの部分に使用するかを具体的に指示したものです。そのため、仕様書がないと、どんな材料を使っていいのか誰にもわかりません。依頼主の希望するメーカーの材料がある場合は、そのことも記しておかないと施工業者の都合の良いメーカーに決められてしまいます。

また、上記の実施設計図面の他に「詳細図」というものがあります。詳細図は、仕上げが変わる部分や部材同士がぶつかる部分など、ミリ単位の数字を記し、絵に描いて納め方を指示する大事な図面のことです。

ところが、詳細図の作成は非常に手間がかかるため、まったく描かない設計者も増えています。詳細図を描かない設計者は、「詳細図を描かなくても現場で大工さんがしっかりと納めてくれる」「詳細図が多くなると見積もりが高くなる」などを理由・言い訳にして描かず、細かい部分は現場任せにしてしまうのです。

設計者が細かいところまできっちりと詰めずに現場任せにしてしまうと、雑な家づくりになる可能性があります。詳細図は、しっかりと丁寧な家づくりをするために大切なものです

設計者の手抜きに注意② 依頼主の要望を聞かない

依頼主の要望を聞かない
注文住宅を建てる際は、「◯◯のような素敵な家をつくりたい」「キッチンの壁は△△にしたい」「フローリングは◯◯にしたい」など、自分たちの住みたい理想の家を考えて設計者に注文をします。

しかし、設計者の中には、依頼主の要望をまったく聞き入れず、強引に別のプランを押し付けてくる場合があるため注意が必要です。

そして、このような設計者に注文をすると、後悔する可能性があります。ここでは、依頼主の要望を聞かない手抜き設計者について紹介しています。

どのような考え方・手口で手抜きをするのかを知っておくことで、そういった被害を回避できますので、参考にご覧ください。

「仕事の手間がかかる」「自分の作品をつくりたい」などを理由に話を聞かない

設計者の手抜きには「図面描かない」「依頼主の意見や要望を聞かない」「現場を見ない」の大きく3つがあるのですが、依頼主の意見や要望を聞かない設計者は非常に厄介です。

依頼主としては、建売住宅を購入するのではなく、設計者に依頼して注文住宅を建てるわけですから、自分たちの理想に近い家づくりができると考えています。

注文するのが、依頼主の意見や要望にしっかりと耳を傾けて、予算の範囲内で、できる限り理想に近づけてくれる設計者であれば何の問題もありません

しかし、設計者の中には、依頼主の要望をまったく聞かずに自身のプランを依頼主に押し付ける人もいるので注意が必要です。

もちろん、設計者の立てたプランが魅力的なもので、しっかりとした理由があれば納得できますが、「依頼主の要望を聞くと仕事の手間がかかるから」という信じられない理由で押し付けるケースが少なくありません。

また、自己満足として、ただ単に自分のつくりたい家を建てたいだけの設計者もいます。こういった設計者は、依頼主の要望や住み心地などにはまったく興味がありません。設計者自身の1つの「作品」としてつくるため、依頼主の要望に耳を傾けようともしないのです。

手抜き設計者だと満足のできない家が建つ

しっかりと依頼主の要望を聞いてプランを作成する設計者か、面倒さや自己満足を優先して依頼主の要望を聞かない設計者では、できた家の満足度が全然違います。

家を建てる際は高額な費用がかかりますし、建てた家には何十年と住み続けます。満足のいく家づくりができるように、絶対に手抜き設計者に依頼していはいけません。

設計者の手抜きに注意③ 現場に行かない・現場を見ない

現場に行かない設計者
設計者の仕事は図面を描くだけではありません。図面どおりに施工されているか?工事の進行状況に問題はないか?など、管理をするのも設計者の「管理者」としての仕事なのです。

管理がしっかりとしていれば安心ですが、管理がずさんな現場では手抜きが横行する可能性もあるので注意が必要です。

このような設計者に家づくりを依頼すると、後に後悔してしまう可能性があります。
そこで今回は、現場に行かない・現場を見ない手抜き設計者について紹介しています。

手抜き設計者の特徴や手口を知っておくことで、良い設計者選びができるようになりますので、これから家づくりをする人は参考にご覧ください。

設計者が工事の管理者に就くが安心してはいけない

設計者の手抜きのパターンには「図面を描かない」「依頼主の意見や要望を聞かない」「現場を見ない」の大きく3つあります。図面を描かなかったり、依頼主の要望を聞き入れない設計者も酷いものですが、現場に行かない設計者もありえません。

建築工事をする際は、必ず管理者を置かなければなりません。管理者とは、工事の施工状況や進行状況を確認する人のことで、一般的には建築士の資格を持っている設計者が就きます。

依頼主としても「設計者が管理しているのであれば安心」と思いがちですが、実態はそうではありませんので注意が必要です。

現場に行かないから管理ができない=手抜きが横行!?

工事の管理者とは名ばかりで、現場にほとんど行かない設計者もいます。通常、家を建てる際、管理者としてしっかりと仕事をするのであれば、現場に10回以上は足を運ぶ必要があります

しかし、手抜きの設計者は、現場に通うことで時間とコストがかかりますし、別の仕事に手が付けられなくなるため、着工前・上棟時・完成時の3回しか行かないことがあります。

また、酷い設計者になると「現場に行くのは割に合わない」「業者に任せておけば大丈夫」といい加減に考えて、1回も現場に行かないこともあるため驚きです。

当然、現場に数回しか行っていないようであれば、施工状況の確認など現場を管理することはできないため、施工業者が図面どおりに仕事をしているかもわからないのです。

このような「管理のない現場」においては、手抜きも横行しがちなため危険です。

設計者に依頼をする前に、現場にはどれくらい通う人なのか聞いておくようにしましょう。

とにかく主張するだけではダメ!家を建てる際の設計者との付き合い方

設計者との良好な関係の築き方
家は一生に一度の高い買い物ですから、さまざまな要望を設計者に伝えることはとても大事なことです。しかし、予算などの関係上、要望どおりに進まないことが必ず出てきます。

そんなときは、設計者の意見に耳を傾けることも大事です。理想ばかりを追い、現実離れした主張をし続けるだけでは良い家づくりはできません。

そこで今回は、家を建てる際の設計者との付き合い方について紹介しています。設計者と適度な距離感で、ベクトルを合わせることが良い家づくりをするポイントです。

設計者と良い関係性で家づくりを始められるように、ぜひ参考にご覧ください。

予算の都合もあるため、理想と現実を冷静に受け止めること

依頼主は、「キッチンを◯◯にしたい」「△△のようなリビングがいい」など、自分たちの理想の家づくりを設計者に依頼するわけですが、何でも実現できるわけではないことを理解しておく必要があります。

なぜなら、設計者が何でも理想を叶えてくれると思い、無理難題な要望を押し付ける依頼主もいるためです。

設計者としても、できる限り依頼主の要望に応えたいと考えます。しかし、予算の関係もありますし、要望によっては家の快適性や耐久性などに問題が生じる場合もあるため、要望を却下して他の方法や妥協点を探る必要が出てくるのです。

依頼主としては、「一生に一度のマイホームだから理想を叶えたい」「高い買い物なので満足のいくものにしたい」と考えるのは当然なことですが、なかには分不相応なワガママを主張する依頼主もいるため、理想と現実を冷静に考えておくことが大事です。

家全体のことを考えている設計者の意見を参考にしよう

現在は、インターネットや雑誌、専門書など、家づくりに関する情報を簡単に入手できるため、依頼主も勉強していることが多いですが、断片的な知識であることも少なくありません。

家全体のことを考えて提案をする、設計者の意見も素直に取り入れることも非常に大切です

たとえば、最近、サッシはアルミよりも木製が人気が高いのですが、木製サッシにするとアルミサッシの2倍近くコストがかかります。依頼主の中には、結露の問題などから木製サッシを希望することもありますが、木製サッシだけが結露の解消方法ではありません。結露は、生活の仕方や家のつくり方によって、ある程度解消ができます。

そのため、木製サッシにして予算をかけなくても、アルミサッシで結露を軽減させることが十分に可能です。特に、ローコストの家を建てる場合は、一つひとつの部材の性能だけでなく、費用対効果を考えることが重要です。

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